Part4 咲かせるには |
[T] 開花期の違いを学ぶ |
カトレヤの生育サイクルは、Part3で見てきたように、基本的にはほぼ同じです。雨期に成長してバルブが完成し、乾期に開花するというパターンです。西日本では、3月から7月が成長期で、8月から9月にバルブが完成し、開花期を迎えることになります。
ところが、その開花の仕組みの違いにより、開花時期が異なってきます。春咲き・夏咲き・秋咲き・冬咲きに分かれます。ただし、その年の気候や株自体の状況により、同じ種類でもかなり開花時期は変動します。 したがって、一応の目安と考えるほうがよいと思います。
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@ 秋咲き
カトレヤのもっとも基本的な咲き方で、もっとも育てやすい種類です。春(雨期の初め)に新芽が伸び始め、夏(雨期の後期)にバルブが完成し、9月末から11月にかけて(乾期の中期)、夜の気温が下がり始めると開花するという仕組みです。冬の寒さを迎える前に咲くので、温室がなくても咲かせることができます。
【例】 (大型)
【紫紅】 C.Porcia(ポーシア)、Bc.Languedoc(ラングェドク)、
【赤・橙】 C.Chocolate Drop(チョコレートドロップ), Blc.Rugeley'sMill(ルーグレイズミル)
【黄】 Blc.Chunyeah(チャンヤー)
【白弁赤リップ(セミアルバ)】 Lc.Persepolis(ペルセポリス)、Lc.SheilaLauterbach(シェイラ・ローターバック)
【ブルー】 Lc.BlueBoy(ブルーボーイ)、Lc.Mariner(マリナー)
【原種】 C.labiata (ラビアタ)
(ミニ・ミディ) Lc.MiniPurple(ミニ・パープル)(ブルー)
C.Sanyo Success(サンヨーサクセス)(ラベンダーピンク) |
A 冬咲き
生育サイクルは秋咲きと同じですが、新芽の成長は秋咲きよりも少し遅いようです。そして夏から秋にかけてゆっくりとバルブが充実し、12月から2月の冬(乾期の後期)に花が咲くという種類です。
すくなくとのもシースから蕾(つぼみ)が伸びてくるまでは10〜15℃を確保しなければなりませんので、少し面倒です。
【例】
(大型)
【紫紅】 Lc.BonanzaQeen(ボナンザクイーン)Blc.PamelHetherington(パメラヘザリントン)
【赤・橙】 Slc.Sakae(サカエ)、
【黄】 Blc.Malworth(マルワース)、Blc.AlmaKee(アルマ・キー)
【白】 Bc.Pastral(パストラル)、Blc.Meditation(メディテイション)
【白弁赤リップ】 Lc.MelodyFair(メロディ・フェアー)
【スプラッシュ】 Lc.ButterflyWings(バタフライ・ウィングス)
【グリーン】 Slc.Ports of Paradaise(ポ−ツオブパラダイス)、Blc.MagicMeadow(マジック・メドウ)
【ブルー】 Lc.BlueKahili(ブルーカヒリ)
【原種】 C.Lueddemanniana(ルデマニアナ)
(ミニ・ミディ) Sc.Beaufort(ビューフォート)(黄色)
Pot.LittleToshie(リトル・トシエ)(黄色)
Epic.DonHaerman(ドン・ハーマン)(黄色)
Blc.OrangeTreat(オレンジトリート)(オレンジ) |
B 春咲き
カトレヤ大型種の中では、もっとも咲かせにくい種類です。春ゆっくりと新芽を出し、夏から秋にかけてゆっくりとバルブが充実するのは秋咲き種と同じですが、冬(乾期の後期)は休眠していて、春(雨期の到来)とともに咲き始める種類です。よい花を咲かせるには、自生地に合わせるように、冬(乾期)の夜の一定温度(できれば13〜15℃)の確保と適度な湿度管理が必要となります。ただし、ミニ・ミディーは低温性のものが多く、10℃あれば越冬し春花を咲かせます。
ミニ・ミディーの原種の多くはブラジルの大西洋岸の高原地帯に自生しています。(→ part2自生地環境図参照)霧に包まれた冷涼な環境に生育しているので、寒さにも比較的強いのです。したがって、その交配種も寒さに強いものが多いといえます。
【例】
(大型)
【紫紅】 C.IreneHolguin(アイレン・ホルギン)、Lc.CasitasSpring(カジタス・スプリング)、
【赤・橙】 Slc.Wendy'sValentine(ウェンディーズバレンタイン)
【白】 C.JoseMarti(ホセ・マーティ)
【白弁赤リップ】 Lc.StephenOliverFouraker(ステファンオリバー・フォーレイカー)
【スプラッシュ】 Lc.RedEmpress(レッドエンプレス)、Lc.Aqui-Fim(アクイフィン)
【グリーン】 Blc.Mem.HelenBrown(メモリア・ヘレンブラウン)、Blc.GreenBay(グリーンベイ)
(ミニ・ミディ) Soph.Arizona(アリゾナ)(赤色)
Slc.HazelBoyd(ハーゼルボイド)(赤〜オレンジ)
Otara.JaneFumiye(ジェーン・フミエ)(ラベンダー) 【原種】C.aurantiaca(オウランティアカ)、C.intermedia(インターメディア)、B.digbyana(ディグビヤナ) |
C 夏咲き
カトレヤの中ではもっとも成長の早い種類です。早春(乾期の後期)から新芽を出し始め、3〜6月(雨期初〜中期)に急速に成長し、7月から8月にはバルブがこれまた急速にふくらみ、充実すると同時に花を咲かせます。秋咲きについで育てやすい種類といえます。
【例】
(大型)
【黄】Blc.EverythingNice(エヴリシング・ナイス)
【白】C.HawaiianWeddingSong(ハワイアン・ウエディング・ソング)
【スプラッシュ】C.MiltonWarne(ミルトン・ウォーン)
【原種】C.loddigessi(ロディゲッシー)、C.mossiae(モシェ)
、L.purpurata(パープラタ)
(ミニ・ミディ) Lc.LoveKnot(ラブ・ノット)(ブルー)
Blc.WaikikiGold(ワイキキ・ゴールド)(黄色)Blc.HuskyBoy(ハスキーボーイ)(黄色) 四季花のアルバム 秋・冬 春・夏 |