第三章 「こころ」をめぐって |
第一節 構成について |
(1) 「こころ」の内容 ) |
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(2) 「こころ」の構図 |
書かれなかった短編(作品整合性の問題) (三好行雄「鑑賞日本現代文学5」角川盾T9など)
「先生と遺書」の強烈な印象とともに結構を閉じる現行の形が、それなりの完結性を備えているのは確かである。しかし、作品の細部にこだわると、小説として片をつけるべくして、収束を放棄した部分も多い。
@ 私が列車に乗ったままになっている。思い出を語っている話者の現在に回帰していない。
→ 第四節 E先生が私に託したもの 参照A 私と両親(家族)とのその後の関係はどうなったか。 B 事件後「若々しい書生」であった私は、今どのように変わっているのか。 |
(3) 「こころ」の構造 |