日本古典作者事典
 
 
              序  [はじめに]
 
   この事典は、日本の「古典作品」を書いた人物の略歴を記載したものです。

「古典」とそうでないものとの区別はなかなかに困難ですが、どこかで線を引かないかぎりあまりに厖大なものになり、事が運びません。そこで、次のように考えました。
 ここでいう「日本古典」とは、
 江戸時代までに日本で書かれた文化的価値のある作品
と定義します。
 歴史的資料としては重要でも、人々の文化的模範にならなかったものは除きます。たとえば、「行政・商業上の書類」や「財産目録」など、単なる事務的な書類は除きました。したがって、歴史資料としては名前が判明していても、「古典」の制作に関わりが認められない人物は記載していません。
 
 さて、私のライフワークでもあった「日本古典作者事典」の完成は夢のようです。
 古典を繙いて、歌人や俳人の名が出てくると、さていつ頃の人物か、姓は何だったか、などと疑問が湧いてきます。私は、45年以上前、まだ20代の半ば、その疑問をすぐに解消できる簡易な事典がほしいと思いましたが、当時は満足できる書物がありませんでした。それなら自分で作ってみようと無謀にも思い立ち、ひまを見つけてはカードに記してきました。その後、日本古典文学大事典や国書人名辞典をはじめ、おのおの専門分野の事典が出て便利になりましたが、記述内容が厖大であったり、名前や号からすぐに引けなかったりで、あまり便利とは言えません。45年余を経てやっと私の便利な事典ができそうです。
  現在のところ実人数は約37,000人。延べ項目数はその数倍になると思いますが、数えたことはありません。本編だけでB5版にして2千ページくらいになるでしょう。費用の関係で書物にはできませんので、ホームページに掲載することにしました。
 我田引水になりますが、この事典は簡易で便利なものです。まだ本編のみで、それもまだ不完全で、附編の系譜はまだ作成途中です。
 しかし、未完成ながらもまず出版したいと思い、ここに掲載しました。今後少しずつ訂正していこうと思います。訂正すべき部分やお気づきの点がありましたら、ご教示願いたいと思います。

                                                  2010年8月15日 著者 識